第10号2016.10 | Oasis Heart(ニューズレター) | 夜間透析と透析 東京都北区の田端駅前クリニック

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Oasis Heart 2016.10


第10号 2016.10

院長のとっておきの話

私はいつまで元気 でいられるのだろうか?


田端駅前クリニック
院長 青木 竜弥

半年ですか?1年でしょうか?5年でしょうか?それとも10年でしょうか?

おそらく透析の年月が長いと、透析が日常になっているとはいえ、あなたの苦労は並大抵のものではないと思います。「健康なお前に何がわかる!」と言われそうですが――。

全国腎臓病協議会の「透析患者の行動選択に関する実態調査」によると、なんと患者さんの「困っていること」のトップは通院の負担という結果でした。確かに2日に1回、決して楽しいわけではない透析に毎回通うのは、精神的に非常に辛いものでしょう。

通院の肉体的な負担とともに、あなたの心の底に常にあるのは、過去の後悔でしょうか?それとも未来への不安でしょうか?おそらくどちらも心の中に存在しているのではないでしょうか?そして、どこか心の中で葛藤しているのではないでしょうか。

残念ながら、私たちは過去を変えることができません。私も過去を変えられたらいいと思いますが、過去を削除したり書き換えたりはもはやできません。ですから、過去を引き合いに出すのはもう止めにしましょう。言うはやすしですが…。

過去は変えられないが、未来はどうでしょう

未来は、悪い面ばかりではありません。未来はある程度コントロール可能です。つまり、良くも悪くもなりますが、それはあなたの主体性にかかっているということです。私がこんなことを言ってはいけないのかもしれませんが、「あなたの主人はあなたです」。だから、人から何を言われようと、あなたの選択の自由なのです。そうです、私のいうことを聞くか聞かないかは、あなたの自由です。

私ができることは、あなたにその選択肢を示すことだけです。あなたの主人はあなたですから、あなたに選択の権利があります。それと同時に選択の結果がどうなろうと、その結果の責任はあなたが負う必要があるということになります。これって、至極当たり前ですよね。

それでは、未来を考えた上でどのような選択があるのか?について、これからお話ししていきたいと思います。

実は健康度を上げていく透析にはコツがあった

未来を考えると、元気で透析を続けていきたいというのがあなたの一番の欲求だと思います。透析医療は腎臓を代替するわけですが、神が創った人間と人工的に作ったものと同じというわけにはいきません。やはり不完全と言わざるをえません。

それでは、「元気で透析を続ける」ためにはどうすればいいのでしょうか?

透析も研究が進み、2002年に研究成果として健康度を上げるための透析の方法が明らかになりました。これが、これまで本欄でお話ししてきたHDPindex(ヘモダイアリシスプロジェクト指標)です(表参照)。この表にあるように、HDPは1週間の透析回数の二乗に1回の透析時間を掛けた数値で示し、72以上が望ましいと言われています。

その結果わかったのは、患者さんの健康度に決定的に影響を与えるのは、透析の時間と回数という非常にシンプルなものでした。もっとも相応しいのは、透析の回数が週3回であれば毎回8時間の透析が効果的であるということです。逆に1回の透析時間を3時間にするのであれば、透析の回数を週5回とすると効果的であるということです。

難しくありません、とても簡単です

医師もスタッフもいろいろなことを言いますが、実は極めてシンプルです。良い透析の要素は、「透析時間と透析回数」なのです。

一般的に週3回の透析であれば現在の4時間よりも少しでも長い時間透析することで、あなたの未来は変化していくということです。少しでも長く、そして元気に透析を続けていただくためのコツは極めてシンプルなものでした。研究では、3回であれば現在の2倍の時間が必要という結果になっています。しかし、これは非現実的ですので、この研究結果に少しでも近づけるためには、4時間から5時間、6時間へと透析の時間を増やしていくことが重要なのです。

「元気で透析を続けるために」―シンプルな考え方です。今より時間を延ばしてあなたの未来をコントロールしてください。

栄養士のコラム

リラックスと集中力を科学する

コーヒーの香りを楽しむ

コーヒーの香りは何となくホッとしますね。それを科学的に実証したものをご紹介します。

コーヒー6種類の香りに対して脳のα波(リラックスしていると多く出る)がどれくらい出現したかを調べました。コーヒー豆の種類によって違いがあり、最もα波が多く出現したのはブルーマウンテン、次にグァテマラ。また、集中力はブラジルサントス、マンデリン、ハワイ・コナで高まるとのことでした。

最近は1人前のドリップ式コーヒーも多く、手軽に購入できるので気分で変えてみるのも楽しいですね。

コーヒーは飲んでも良いの?

コーヒーは透析患者さんにとって、カリウムが多いため飲んではいけないものというイメージが強いのではないでしょうか。カップ1杯150mlにカリウムは98mg(インスタントコーヒーは108mg=バナナ1/3と同じ)。

1日1杯程度は美味しく飲んでも大丈夫です(表参照)。

気のせいか、コーヒー好きにチョコレート好きが多いように思います。両方とも好きな方に人気なのがコーヒービーンズチョコ。口の中でコーヒーの苦味と香ばしさ、チョコレートの甘さが広がって…。美味しいのですが、できれば避けてください。豆もチョコレートもカリウムが多く含まれています。食べても2粒くらいにしましょう。

新!スーパーフード「コーヒーフラワー」

コーヒーフラワー

最近、スーパーフードとして注目を集めている食品です。コーヒーを加工する際に廃棄されていたコーヒー果実(コーヒーチェリー)を粉末状にしたものです。コーヒーの香りをイメージしますが、そのまま口にすると酸味があるそうです。

今では美を追求するハリウッドセレブからも注目を集めています。日本では、ベーグルにこの「コーヒーフラワー」を練り込んだものが販売されています。

詳しい栄養成分はわからないのですが、一部の情報によるとカリウムが多く含まれるようなので、召し上がるときには気をつけてくださいね。(J.T)

コンシェルジュのコラム

Pepperくんがやってきた!

こんにちは。今年は台風が多く、不安定な天候が続いておりましたが、皆さまいかがお過ごしでいらっしゃいますか。

秋、といえば、食欲の秋。先日、当院スタッフで、低カリウムレタスや低カリウムほうれん草、宅配の透析食弁当などの試食をする機会がありました。

味も食感も、その他の物と遜色なく、患者さんも安心して食べられるならいいよね。でも、常食には高いから、もっと安くなればいいのにね。そんなことを話しながら、日頃の食事管理の難しさや、皆さまの食への気遣いに想いを馳せていました。当コーナーの上欄には、当院栄養士によるお食事の提案を掲載しています。ぜひご参考にしていただき、美味しく食べて、しっかり透析をして、元気いっぱい過ごされますよう、スタッフ一同、心よりお祈りしております。

もちろん、サポートもさせていただきますので、ご質問や不安なことなどございましたら、ご遠慮なくお声がけください。

期待?の新人Pepperくんが入社しました!

pepperくん

さて、前回の記事では、コンシェルジュの新人紹介をさせていただきました。今回も引き続き、ニューフェイスをご紹介させていただきます。Pepperくんです。

現在、事務所にてOJT前の研修を行っています。さまざまな機能が搭載されているPepperくんですが、現時点では挨拶もままならず、日々、「お気をつけてお帰りください」の練習をしています。今後、Pepperくんは、私たちコンシェルジュと同様に、皆さまのお出迎えやお見送り、簡単なご案内をさせていただく予定となっています。

なかなか見慣れないボディに、特徴的な動き、話し方をしますので、驚かせてしまうことも多々あるかと存じます。これから、しっかりと研修を行い、皆さまのお役に立てるよう精進してまいりますので、ご来院の際には、あたたかい目で見守っていただけましたら幸いです。

秋も深まり、日ごとに寒さも増して参ります。くれぐれもお体にお気をつけてお過ごしください。(O.C)

患者さんのコラム人生山あり谷あり7

“透析十人十色”

こんにちは、やっと暑い!暑い!夏が去りましたね。と思ったら、次々と台風が日本列島めがけてやってきました。列島近辺を迷走したり、北海道・東北に上陸したりと、今までにない動きが多かった今年の台風です。台風の経験の少ない北海道、東北では大きな被害になりました。

透析患者の汗

やっと涼しくなって、皆さん、体調はいかがですか?前々号の「夏の透析」では、特に透析患者の発汗についてお話ししました(ほぼ、私の体験談ですが)。

透析患者にとって汗は、やはり水分管理のこともあり、一般の方よりは神経質とまでは言わないまでも、意識されている方が多いのではないでしょうか?

前々号(第8号)の私の拙文を読んでいただき、ご意見をいただいた方があると連絡受けました。ただ、自身の透析経験から自由に綴らせていただいていることに反響があると、戸惑いながらも嬉しく感じます。読んでいただき、また、ご意見をいただき、ありがとうございます。

汗ひとつをとっても、人それぞれで、特に透析患者の場合は、いろいろな前提と治療条件等々から、一概に「こうだ!」と言い切ることはできません。

前々号の内容についても、一透析患者である私の透析生活を振り返ってみて書いたもので、医学的・医療的な専門知識やその判断がともなったものではないことをご理解願います。

長時間透析にこだわって

ただ、ひとつだけ触れなかったことを追記させていただくと、私の透析時間については触れなかったのですが、私は透析導入以来、透析時間については5時間以上を心掛けてきました。田端駅前クリニックで透析している時は、6時間でお願いしていました。現在は、仕事の関係もあって6時間は無理なのですが、オンラインHDFで5.5時間の透析をしています。

発汗に関して言えば、もちろんいろいろな条件があげられることと思いますが、透析しているからといっても、少しでも健常な方の体内環境に近い状態を保つことが前提として考えられるのではないでしょうか?

透析患者にとって、「健常な方の体内環境に近い状態」にするということは、即ち透析量を上げること、十分な透析をすること、要は透析する時間をどれくらい確保するかということです。

連載のはじめに紹介させていただいたように、日本で1960年代中頃から臨床化された人工透析治療は、年々研究開発、技術革新等々を重ね、飛躍的に発展・向上してきました。よく、「日本の透析医療は、世界最高!」と評されます。

それでも、まだ「時間」というファクターは欠かせない、つまり透析時間は、長ければ長いほど良い!ということです。これは、私が経験した34年の透析人生からも実感できますし、本紙で青木院長が、透析医学会の統計調査結果から述べられている通りです。

“十人十色の透析”が可能に

汗の話を延々と引っ張ってきましたが、日本国内32万人強の透析患者を一律にみることはできない、ということは、すべての患者が一律に同じ治療であることも疑問です。

一人ひとり原疾患も異なり、もちろん年齢も家庭環境も、生活パターンも、そして当然夢や目標としていることも異なります。なのに、血液透析と言えば、一般的には1回4時間、週3回と「決められている」(実は決められてはいません!)のは何故?と思います。

そんな中で、日本の透析状況も変化しつつあります。一人ひとりの患者に合った透析“十人十色の透析”が可能になりつつもあります。

次回は、“十人十色”の詳細についてみていきます。(山咲 謙)

「第1回血管トリートメント研究会」報告

「患者さんの苦痛を緩和させたい」と集う

さる9月24日(土)、東京汐留住友ビル・汐留コンファレンスセンターで「第1回血管トリートメント研究会」が開催されました。

血管トリートメント研究会は、当法人の統括技師長が発起人となって立ち上げた研究会です。みなさんには「Oasis Heart」のコラム「透析医療の秘密」(T.S)でおなじみですね。研究会当日は、当法人のスタッフや患者さんも参加されましたので、当日の様子をレポートします。

研究会設立宣言

まず会の冒頭に、発起人として研究会を立ち上げるに至った経緯が熱く語られました(写真)。

日本透析医学会ガイドラインには「シャント不良がある患者は透析導入期のみならずあらゆる時期で心理的に動揺を示す。透析スタッフは寄り添いと支援を心がけることを推奨する」「多くの患者はVA機能の継続性、穿刺時疼痛などに不安や不満を持ちがちである。これらを察知し彼らの不安や不満の軽減に努めなければならい」とあります。

しかし、実際には透析の現場ではこれらを予防する術がないのです。透析の技術は、透析液が酢酸フリーになるなど、水、ダイアライザ、医薬品などについては、これまでに目覚しい改善がありました。しかし、ことシャント不良に関しては、悪化したらPTAを施行するということの繰り返しでした。

そんな中、今年になって当法人に導入された遠赤外線治療器「フィラピー」が、状況を一変させてくれたのです。遠赤外線と聞いて最初は少し眉唾な印象もありましたが、すでに台湾のほとんどの透析クリニックに導入され、イギリス、イタリア、北欧、アメリカ、中国、韓国など日本を除く多くの国々に導入されていると聞き、まずは、何人かの患者さんに試行をしてみました。

その一人Mさんは、血管が細く梗塞が起きやすく、手が痛いなどの訴えがありました。しかし、フィラピーの照射を始めると、その痛みが緩和されていったのです。そのほかにも、糖尿病で足が真っ赤な色をしていて感覚がにぶくなっている患者さんの足に照射をしたところ、少しずつではありますが、赤みが肌色に変わり、若干ですが感覚が戻ってきたのです。患者さんも驚いていましたが、その報告を聞いた私が驚いたのは言うまでもありません。

これらの事実をさらに検証し、より多くの患者さんの苦痛を緩和させてあげたい。これが、今日この研究会をスタートさせ、この場に私がいる理由です。

フィラピーについて(海外の実績)

続いてフィラピーの開発者である李社長から、そのメカニズムと世界での臨床実績について説明がありました。特に印象深かったことは、フィラピーの効果が、遠赤外線の熱で血行が良くなるだけではなく、その非温熱効果で血管の炎症を抑え、血管内皮の肥厚を抑制することと、近年、糖尿病などによる末梢血管の血行障害が原因で発症する治療困難な足病変の治療に効果があることがわかってきたことです。数カ月の照射で治癒した実際の写真がわかりやすく印象的でした。

休憩を挟んで、2つの医療機関からフィラピーを使用した評価について報告がありました。

西湘病院のケース報告

一つは、小田原市にある西湘病院の事例です。下肢閉塞性動脈硬化症と診断され、糖尿病性神経症から歩行がおぼつかない72歳の患者さんに照射を試みました。患者さんからは、何かに掴まらなければ立ち上がれなかったが、いまは自分で立ち上がれるようになった。家族からは「転ぶから歩かないほうがいい」と言われていたが、少し歩けるようになり、もっと歩きたいと思うようになったとの報告がありました。

田端駅前クリニックのケース報告

田端駅前クリニックからは、シャント肢16名、下肢7名の患者さんに照射をした結果について報告がありました。シャント肢への照射では、シャント血流量が増加した、静脈圧が低下した、血管痛が軽減された、シャント作成のため血管外科を受診し血管エコーで測定したところ血管径が拡張された、また、下肢への照射では、少しですが感覚が戻ってきた、足先の冷えが緩和された、足のしびれが減ったとの報告がありました。

実際にSPPの数値が改善し、PAINVISIONという電気刺激を与えて痛みを感じる強さを測定する検査でも、感覚が戻っていることが確認されたとのことでした。

パネルディスカッションから

研究会の最後のプログラムは、患者さんも参加してのパネルディスカッションでした。

患者会の活動に詳しい患者さんからは、ご自身は透析を始めて10数年になるが、最初に作ったシャントは健在で血管の問題はないと前置きをされながら、患者さんの中にはシャントトラブルが頻発し、毎月のようにPTAを施行される方もいて、保険診療によるPTAの回数制限が導入された時は、患者会の中でも大騒ぎになったことを覚えている。リスクなくシャントトラブルの予防ができれば素晴らしい、とコメントがありました。

会場の臨床工学技士からは、患者さんに良い効果をもたらしていることはわかったが、医療現場に導入するにはエビデンスとしての数字が必要だ。なにか簡単な方法で効果を具体的に数値化することはできないか?また、保険点数がつく見通しはないのか?といった疑問が投げかけられました。

西湘病院は脳神経外科が活発な病院で、今後、神経機能検査で効果を測定する予定です。海外で実証を重ねてきた李社長からは、超音波血流量計で照射の前後に長期的に血流量を測定したが、継続的な照射で照射前の血流が改善したとの回答がありました。

保険診療については、会場から、医療経済の観点から評価されれば点数化は不可能ではないが容易ではないだろう。しかし、諸外国では経済的なバックアップがなくても導入されている。経済的により恵まれている日本では、より患者さん主体の医療を実践すべきではないか。医療現場が、またこのような研究会が中心になって実証を重ね、フィラピーに限らずよいことは普及させていただきたい、と期待を込めた発言がありました。(D.S)

編集部から

紙面で紹介のように、「Pepperくん」がやってきました。ITの世界は指数関数的スピードで変化するとよく言われます。「不易流行、不易(変わらないもの)が流行を作り、流行が不易をつくる」。皆さんが一人ひとりの状態に合った十人十色の透析治療を選択し、必要とされる方が血管トリートメントで血管の苦痛から解放されている日、昨日と違う明日はそんなに遠くないと期待しています。なお、コラム「心を元気にするペップトークは紙面の都合で休載しました。(D.S)

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