第2号2016.02 | Oasis Heart(ニューズレター) | 夜間透析と透析 東京都北区の田端駅前クリニック

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Oasis Heart 2016.02


第2号 2016.02

院長のとっておきの話

“元気がでる透析医療のコツ”


田端駅前クリニック
院長 青木 竜弥

透析といっても実は様々な「透析」があります。
あなたが、これまで以上に健康になりたいとお思いなら、この話を少し聞いてください。あなたの利益になることです。
あなたの体の状態がより良い状態になるためには、実はいくつかのコツがあるのです。
そのコツについてこれから毎回お伝えしていきたいと思います。

コツの第1番目。それは透析時間についてです。
透析時間?そんなのわかっていると思われるかもしれません。しかし、この事実を知ると愕然とすることでしょう。

透析時間が死亡のリスクを下げる

この事実についてお話ししましょう。グラフは2009年に日本透析医学会から出された透析時間と死亡リスクの関係を示したものです。
このデータの意味するところは、標準的な4時間透析している患者さんの死亡リスクを1とすると、3時間以下では2倍もリスクが高いことが示されています。逆に5時間以上では0.7倍とリスクが低くなっています。
つまり、透析時間が長いほど、死亡のリスクが減少するということです。

現在、4時間透析が一般的ですが、5時間、6時間透析を実施している施設も増えてきています。
日本国内における透析患者の10年生存率は約36%で、6時間以上の長時間透析を行っている施設の10年生存率は80%にまで達するという報告もあります。

透析時間と死亡リスクの関係

この他、たとえば長期合併症である透析アミロイドーシスの原因となるβ2-MGなど分子量の大きい物質の除去は、透析時間が最大の規定因子で、時間をかけないと除去できません。
また、短時間の透析では急激な体液量および溶質濃度の変化により、急激な血圧低下や下肢つれなどが出現するリスクが増加します。

長時間透析のメリット

一方、長時間透析では次のようなメリットがあります。
どうでしょうか?これほどのメリットがあるのです。
それだけではありません。十分な透析を行うことで、内服薬が減り、食事制限も緩やかになることもポイントです。このように長時間透析には様々な利点があります。

●田端駅前クリニックでは長時間透析を推奨します。
5時間、6時間透析をご希望の方はご相談ください。

Voice Special Part 1 患者さんの声

患者さんの想いに触れるために

私たちは、“患者さんのために”という想いを胸に、常に努力を続けています。
しかしその一方で、その想いや私たちの行動が、「本当に患者さんのためになっているのか?」「もしかして提供している私たちの独りよがりになっているのではないか?」という不安も、常に持ち続けています。

『患者さんのためになること』 『患者さんの想い』

きっと、それは患者さんそれぞれの価値観によって異なるはず。
しかし患者さんが持っている「想い」に触れる機会を積極的に持たなければ知ることができません。そしてその機会を得ることは、私たちにとって、とても価値ある出会いであると考えています。
私たちが続けている努力が独りよがりにならないよう、それぞれの患者さんの想いに、できる限り寄り添えるよう、私たちは毎年第三者機関による「患者満足度調査」を実施しています(QLife)。

本年度も田端駅前クリニックで同調査を実施いたしました。
本調査にご協力いただき、誠にありがとうございました。
今号から2回にわたり、その結果をお知らせいたします。1回目の本号では、4項目5段階評価結果を中心にしたレポートです。

数字が語ること 数字に学ぶこと

やや満足以上を「満足評価」とみますと、全4項目で80%を超える方々が満足しているという結果となりました

透析における血流量と死亡リスク

しかし、前回の結果と比較すると、全項目で厳しい評価となりました(前回以前の結果は田端駅前クリニックのホームページをご参照下さい)。
これは、前回高評価であったことを受け、「もしかしたら、心のどこかで私たちが慢心してきた結果ではないか」という大きな反省の機会を与えてくれました。

●「スタッフはフレンドリーな方が多いが、会話をしてくれない人もいる。透析は人間相手のことだからせめて挨拶くらいはして欲しい」(50歳代、男性)
●「スタッフは皆いい人ではありますが、気軽に相談できる雰囲気がない」(50歳代、男性)

しかしその一方で、こんなご意見も。

●「院長先生、スタッフの方が変わってクリニックの雰囲気も良くなったと思う」(30歳代、男性)
●「医師及び従業員の対応が大変素晴らしい」(40歳代、男性)

私たちは、人を介して医療を提供しています。だからこそ、人が変わることで医療の質が低下してはいけない。
分っているはずのことでも、患者さんがご自身の想いを私たちにぶつけて下さったことで、改めて開眼させられた結果の一つです。

なぜ、私たちが患者さんの声を大事にするのか?

アンケート調査であったとしても、患者さんご自身が正直な想いを伝えて下さることは、大変な勇気が必要であると思います。
だからこそ、私たちはその事実を真摯に受け止めなければならないと考えています。

『医療は人を介して提供されるサービス』
患者さんからの想いを受け取ること。すべてはそこから始まります。
実は、「測定されないものは、決して改善されない」のです。
だからこそ、 私たちはこの測定の結果を大事にしているのです。

今回の総評としましては、全体的に80%以上の患者さんが満足している結果となりましたが、自由回答項目で寄せられた中には、更に私たちの背中を押して下さるご意見が多数ありました。
次号では、そんな患者さんの声に耳を傾けるスタイルでレポートする予定です。

栄養士のコラム

こたつでミカン

ビタミンC以外にも豊富な有効成分

ミカンの部位別ヘスペリジン含有量出典:伊藤三郎編「果実の科学」朝倉書店刊(1999)p130-143糖転移ヘスペリジン・ビタミンP研究会より

まだまだ、こたつがほしい季節です。今はエアコンや床暖房などが多くなり、こたつが減っているようですが、暖かいこたつの中でミカンを食べ、ゴロッとしていると気持ちいいですよね。そこで今回は「ミカン」についての豆知識をご紹介します。
ご存じの通りミカンは、ビタミンCが豊富で風邪予防に効果的と言われますが、実はビタミンC以外に免疫力を高める「βークリプトキサンチン」や毛細血管を強化する「ヘスペリジン(ミカンの白いすじ。ビタミンPともいう)」という有効成分も豊富です。
「βークリプトキサンチン」は人参に多く含まれるカロテン、トマトのリコピンなどの仲間です。 透析をされている方は便秘でお悩みの方も多いと思います。
ミカンには整腸作用のある「ペクチン」も含まれます。実と袋に豊富ですので、皮をむいたらそのまま食べたほうがお得のようですね。

水分とカリウムの含有量は

透析をされている方にちょっと心配なのが「水分」と「カリウム」ですが、100gのミカン(大き目のもの1個)の水分は86.9gで、他の果物と同じくらいです。
カリウムは150㎎含まれ、1個程度であれば果物の中では少なめです。ミカンは簡単に食べられるため、つい2個、3個と手が伸びてしまいますから、カリウムは少なめでも数には気を付けてください。

2個半食べるとカリウムの王様「バナナ」と同じ量になります。また、2個食べたらコップ1杯分の水分を摂ることになります。食べた分、飲み物を減らせるといいですね。
色々とミカンのうん蓄を述べましたが、コンビニ弁当や外食が多いと野菜不足になりますので、おいしいミカンでビタミンC補給をしてはいかがでしょうか?
常温で2~3週間はもちますから、あわてず1日1個ずつお召し上がりください(ミカンを食べた日に他の果物は控えましょう)。

アロマ効果の香りの成分

完熟したミカンの皮の甘酸っぱい香りは、リラクゼーション効果のある「リモネン」を主とする精油です。
食べ終わった後も部屋にミカンの皮を置いておけば、ちょっとしたアロマ効果も得られそうです。ミカンの皮がカラカラに乾燥したらお風呂に入れてみてもいいですね。
リラックスして血行が良くなるとも言われています。ただ、入れすぎると肌への刺激になるのでほんのり香る程度に……。
ミカンは捨てるところがない果物ですし、種類も豊富です。旬のモノをおいしく食べてください。(J.T)

コンシェルジュのコラム

保険制度と透析治療の費用について

透析治療は長い間継続するため、ライフスタイルが変わってしまうことや、治療費など経済的な面で不安をかかえる患者さんも多くいらっしゃいます。そこで今回は、保険制度と透析治療の費用についてご案内します。

保険制度

透析治療を始める患者さんは、市区町村役所の障害福祉担当の窓口で障害者手帳の交付申請の手続きを、そして医療保険の窓口で「特定疾病療養受療証」の交付申請手続きをしましょう。
「特定疾病療養受療証」の交付を受けることで、透析治療にかかる医療費のうち、自己負担は3割ではなく、月1万円(健康保険・国民健康保険の方で一定以上の所得のある方は2万円)で納まるようになります。
医療保険には、健康保険と国民健康保険があり、健康保険には協会けんぽ(旧政府管掌健康保険)・健康保険組合や各種共済組合(公務員、私立学校教職員など)による保険・船員保険など、さまざまな種類があります。
今、ご自身はどの医療保険に加入していますか?医療保険によって窓口も異なりますので、ご自身の加入されている医療保険を確認しておきましょう。
ご不明な点や詳細については、お住まいの市区町村の窓口機関へおたずねください。
また、最近、福祉事務所や保健所に「福祉係」「保健センター」など、親しみやすい名称の窓口に変更している役所が増えています。
電話帳や行政広報で探すととまどう場合もあるかと思いますので、直接役所の総合案内で「身体障害者手帳の申請はどこ?」、「国民健康保険の窓口は?(国民健康保険の場合)」と確かめるとよいでしょう。

転居される場合のお手続き

透析歴の長い方はご存じと思いますが、転居の時も障害者手帳の住所変更など多くの手続きが必要になります。市区町村への転入届をすませた後、できればその足で済ませておきしましょう。
手続きに必要なものは、市区町村によって違うことがあります。ご不明な点や詳細については、お住まいの市区町村の窓口機関へおたずねください。
かかりつけの透析施設へ、新しい住所と連絡先を知らせることも忘れないでください。

まだ寒さが続きます。お体にお気をつけて風邪などひかれませんようお過ごし下さい。(O.C)

患者さんのコラム

「厚く高い壁」とは……

前回は、1967年に人工透析治療が保険適用となりましたが、まだすべての腎不全患者がその治療を受けられる状況にはなかったことを、当時の新聞記事から紹介しました。
そこには、「まだ厚い高い壁が立ちはだかって動こうとはしない」と表現されていました。
さて、その「厚い高い壁」とはなんだったのでしょう?

負担――金の切れ目が、生命の切れ目

人工透析の個人負担額例

一つには、高額な治療費による経済的負担でした。
当時の医療保険制度では、被用者保険(一般に社会保険と言われている)本人のみ自己負担はなく、社会保険家族は5割、国民健康保険は3割の負担となっていました。
右の表は、当時(1971年)の関東地方のある病院での透析患者の自己負担額を示したものです。平均でも10万円を超える負担が、透析を続ける限り毎月必要であったことが分かります。
現在でも透析にかかる医療費は、一般的と言われる1回4時間・週3回で約40万円ですから、3割の負担が必要となった場合には、同程度の自己負担を要することになります。
ただ、これは45年前のことです。当時の物価を例に挙げてみます。ラーメン180円・そば100円・あんぱん30円・カレーライス180円・牛乳28円・銭湯40円・理髪料金640円・ガソリン57円・新聞購読料900円・国立大授業料12,000円・銀行大卒初任給45,000円等々。いかにその負担額が大きいものかが分かります。
この負担に耐えられなければ、透析を続けることはできない。
当時、透析患者にとって、「金の切れ目が、生命の切れ目」と言われた所以です。

人工腎臓の絶対数の不足――自分が透析を受けられるということは

二つめの壁は、人工腎臓の絶対的な不足でした。
1967年の保険適用後でも、1970年(昭和45)で666台、翌1971年(昭和46)でも1,575台でした。当時、透析を必要とする患者は約10,000人いたと言われており、その台数は極端に不足している状況でした。
当時、自分が透析を受けられるようになったということは、人工腎臓に「空き」が出たということであり、それは即ち、ある患者の死を意味していました。
ちなみに、現在(2014年12月31日)の日本国内の人工腎臓の台数は131,555台、患者数320,448人です。最大で432,433人まで治療可能となっています。

1970年といえば、「人類の進歩と調和」をテーマに掲げて開催され た大阪万博の年。様々な矛盾を孕みながら高度経済成長を突き進んでいる時代です

患者の選択

人工腎臓をめぐる経済的負担と台数の絶対的不足から、患者の選択が行われました。このことを象徴するのが、前回紹介した「覆面委員会」の写真です。現在では、「患者が選択される」という事実が明らかになれば、大きな社会問題となるに違いありません。しかし、当時の透析医療状況からすれば、限定された条件のもと「苦渋の選択」として行われたものと想像します。
では、どのように選択されたのでしょう。1971年当時、京大病院人工腎臓スタッフ会議の記録があります。

1.医学的基準

①適応症であること、②ガンや長期間続いている合併症がないこと、③若い人は原則としてジン移植を考える、④体力が必要だから年齢は50歳まで、⑤意志強固で性格が安定し自己管理能力があること(精神科医の性格分析を参考にする)など

2.社会・経済的基準

①原則として本人の医療費負担がゼロであること、②家族が治療に協力的であること、③勤務先の会社に患者を温かく迎えるという誓約書を書いてもらうこと、④自宅、病院、会社がお互いに近いことなど、前述した健康保険10割給付の勤務先のある世帯主を想定した内容になっていることが分かります。

この非情で過酷な状況のなか、選択される当事者となった患者(家族)はどのように対応したのでしょうか。次回はこの「壁」の解消に向けた患者の動きを追っていきますが、ここに「医療の主体は患者」ということの原点があるような気がします。(山咲 謙)

編集部から

第2号については、多くの励ましの言葉を頂戴し、スタッフ一同おお喜びです。
2月は年に1度の患者さんからの評価(アンケート)結果の公表です。
襟を正して、改善を継続していく。改めてその力を見直したみかんも改良の成果でしょうか、ますます皮が薄く甘くなっているような気がします。(D.S)

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