田端駅前クリニック院長のブログ

Category Archives: 死亡リスク

間違いだらけの透析医療 恐ろしい「糖尿病」の真実とは?

恐ろしい「糖尿病」の真実とは?

 

近ごろ、頻繁に耳にする「糖尿病」という病気をご存知ですか?

ご存知ですよね。

 

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(すいません、決して馬鹿にするつもりはありません)

一般的に耳にしますが、実はその割に正

確に知っている人は少ないかもしれません?

あなたも無関係ではない「糖尿病」について、

少しだけ知っていただきたいと思います。

例えば、ただ「尿から糖が出る病気」だと思っている方も

少なくないのではないでしょうか。

Inscription sugar made into pile of white granulated sugar
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確かに間違いではありません。

しかし、残念ながら、

実際はそんな単純なものではありません。

 

糖尿病と診断されても、

あまり自覚症状がありませんので、

そのまま放置しているケースが非常に多いのが現状です。

放置し治療をしないで、

そのままにておくと重大な合併症を引き起こすことに

なってしまいます。

こんな統計があります。

厚生労働省の「2014年患者調査」によると、

糖尿病の患者数は316万人となり、

過去最高となりました。

 

糖尿病は50歳を超えると増えはじめ、

70歳以上では男性の4人に1人、

女性の6人に1人が糖尿病をもっています。

何と男性の25%、女性の17%にも達します。

糖尿病が強く疑われる人を含めると

その数はさらに増えることになります。

さて、ここで少し専門的にお話ししますね。

糖尿病で血糖が高い状態が続くと、

血液中の糖が悪さをします。

何と血液中の糖は恐ろしいことに、

血管を傷つけ血管に負担をかけます。

すると、まず血管の中でも特に細い毛細血管が

ダメージをうけます。

そしてその結果、臓器や細胞を傷つけることになります。

これが糖尿病の3大合併症といわれる

「腎症」「神経障害」「網膜症」です。

Young male holding his back in pain. On a white background
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つまり、臓器でいえば腎臓、神経、目です。

Beautiful woman eye with long eyelashes. asian model
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そして、次に影響を与えるのが太い血管です。

糖尿病は動脈硬化を進展させ

心筋梗塞や脳梗塞など命にかかわる病気を引き起こします。

いや、実は結構怖い病気ですね。

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糖尿病にかかりやすい人、かかりにくい人

 

糖尿病というと、その昔は贅沢病と言われてきました。

過食による肥満が原因だとか、

運動不足で生活習慣が乱れていることが原因だ

などと言われてきましたし、

あなたもそんなイメージを

もっているのではないでしょうか。

しかし、実際は必ずしもそればかりではありません。

確かに日頃のあまり良くない生活習慣を積み重ね、

肥満になった結果であるということも言えますが、

そういった人達ばかりが糖尿病になるわけではありません。

生活習慣だけではない、糖尿病の真実

 

実はやせ型でも糖尿病になる人は大勢います。

血液中の糖は膵臓から出るインスリンという

ホルモンに関係しています。

日本人はそもそも欧米人に比べてインスリン分泌能が

低い傾向にあります。

インスリン分泌が不十分なことで、

血糖値が下がらずやせ型でも糖尿病になってしまうのです。

 

 

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これは欧米人の肥満によるインスリン抵抗性とは対照的です。

日本人の糖尿病は後天的要因である生活習慣の要素も

大きいですが、

遺伝素因や人種などの先天的要因も糖尿病の発症、

進展に強く関与しております。

 

糖尿病と腎臓の関係とは

 

糖尿病腎症は糖尿病にかかってから

10~20年経過して発症するといわれています。

早期には微量アルブミン尿が、その後蛋白尿が出現します。

糖尿病が徐々に腎機能を低下させます。

そして、腎臓が全く働かない状態、

つまり最終的に腎不全に至ってしまいます。

現在、血液透析を始める患者さんの原因疾患で

もっとも頻度が高く約40%に到達しようとしております。

 

糖尿病は本当に怖い病気なのか?

 

あなたが糖尿病にかかっても初期では

ほとんど症状がありません。

せいぜいあっても喉が渇いて、尿が沢山出るくらいです。

だから、知らず知らずのうちに進行してしまうのです。

ここが糖尿病の恐ろしいところです。

繰り返しますが、糖尿病は、自覚症状がありません。

そして、気づかないうちに進行しています。

このように、糖尿病は知らない間に全身をむしばむ病気

「サイレントキラー」といわれています。

 

Paper bag with the word diabetes filled with healthy foods
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しかし、心配する必要はありません。

裏を返せば糖尿病は完治することはありませんが、

うまく付き合っていけば、

それ自身で命が奪われるということはありません。

どうです。少し安心したでしょう。

つまり、先ずは血糖コントロールをしっかり行うことです。

そして、合併症の管理ができていれば、

糖尿病も過度に恐れる必要はないのです。

糖尿病について、

更に詳しくお知りになりたい方は

こちらを参考にしてください。

糖尿病チャンネル:糖尿病の基礎知識から透析まで

http://tonyo-ch.com

間違いだらけの透析医療 長生きするためのリン?

 

人工透析の患者さんは、よくリンを減らすように言われると思い

ます。

おそらくあなたもそうだと思います。

なぜ減らす必要があるのでしょうか?

それは、リンが高いと長生きできないことがわかったからです。

heart shape form by various vegetables and fruits
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リンと体のすごい関係とは?

何故でしょうか?

そのメカニズムを今回お話ししたいと思います。

透析患者さんの血液中にリンが増加すると、

カルシウムと結合して体の色々な部位に沈着します。

このリンとカルシウムの結合体が、

様々な症状を引き起こすことになります。

Pills with calcio CA element Dietary supplements. Vitamin capsules. 3d
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皮膚では激しい痒みに悩まされたり(本当に嫌ですね)

関節の周囲では沈着したリン酸カルシウムの影響で

強い痛みを起こしたり、

関節の変形や腫脹などを引き起こします。

それだけではありません。

血管壁にもリン酸カルシウムが沈着し、

動脈硬化を増悪させ

心筋梗塞や脳血管障害を引き起こしたり、

手足の末梢循環障害による痛みやひどい時には、

壊死などをもたらします。

このようにリンが多いと、

皮膚や骨といった皮膚・筋骨格系だけではなく、

血管や心臓、脳血管といった部位にまで影響を与えます。

透析患者の死因の1位とは?

透析患者の死因の

1位は心不全、

4位が脳血管障害、

5位が心筋梗塞です。

透析を長く続けていると

心臓や脳血管障害による死亡率が上がります。

 

あまり知られていない長生きの秘訣とは?

これまでお話しした通り、

その原因が血清リンの上昇といわれております。

逆に言うと、

リンを低く抑えることができれば、

心血管系の病気にかかりにくくなり、

長生きすることができるわけです。

この事はわかっているようで以外と知られていないのです。

また、

高リン血症が持続すると後に副甲状腺機能亢進症となり、

副甲状腺ホルモンが骨を溶かすようになります。

すると骨から出たリンの影響で血中のリンはますます増加し

、ますます死亡のリスクが高まっていきます。

 

りんの真実、秘密のリン

リンの悪い面ばかりをお話ししましたが、

実はリンそのものは体なくてはならないもので、

細胞内にたくさん含まれています。

エネルギーを運搬したり、

カルシウムと共に骨を作る役割があります。

そして、蛋白質とリンは切っても切れない関係にあり、

ほとんど全ての蛋白質はおよそ1%のリンを含んでいる

と言われています。

体重50Kgの人が50gの蛋白質を食べると

約0.5g(500mg)のリンを摂取することになります。

roasting teppanyaki
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通常、食事中のリン含有量は1日1000~2000 mgであり、

その60%が腸から体内に吸収され、

吸収されなかったリンは便と一緒に排泄されます。

便の中には400mg程度のリンが含まれています。

毎日の少しの差が大きな差になる事実

つまり、

透析の患者さんは毎日便秘をしないように配慮することも

大切になります。

腎臓が正常であれば吸収されたリンは

全て尿から排泄されます。

しかし、週3回1回4時間の血液透析では1回に1000mg

しかリンを除去できず、

1日に換算すると400mg程度しか血液から

取り除くことができません。

 

リンはこのように食べ物から体の中に入ります。

一言で食べ物といってもリンを多く含む食べ物、

リンが少ない食べ物があります。

リンを多く含む食べ物には何があるでしょうか?

ひとつは先ほどお話ししたとおり、蛋白質を多く含む肉、

小魚、卵、乳製品、豆類です。

また、保存料としてリン酸を添加しているもの、

例えば魚肉加工品(かまぼこ、はんぺん、魚肉ソーセージ)

やインスタント食品、

ベーコン、ハム、ソーセージ、冷凍ハンバーグなどに

多く含まれています。

 

成功はあなたの手の中にある。

さて、これからが本題です。

あなたのアクションには2つ視点があります。

その第一は、リンを血液中に増やさない事です。

これはあなたがコントロール出来る事です。

医師やナースから食事制限を言い渡されるのは嫌ですよね。

医者の私でも嫌です。

しかしこう考えてはどうでしょうか。

実は、コントロールは自分の自由意志で可能だということです。

操縦桿を握っているのはあなたです。

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あなたがコントロールすることができるのです。

もしコントロールを失敗したら?

どうするかという疑問が残るかと思います。

心配いりません。余分なリンは薬を使って

除去することができます。

これが第二のアクションです・

また、前回もお話ししましたが透析時間を延ばし、

長時間透析を行うことで血液中のリンは減少します。

重要なポイントは、

あなたがコントロールできるということなのです。

しかも失敗もありです。

薬や透析はセーフティネットと考えてはどうでしょうか。

少し気持ちが楽になりませんか。

そしてあまりストイックになりすぎてもダメです。

肉や卵を全く食べないと良質な蛋白質が不足するので、

毎食バランスよくとることが大事です。

これ、いいと思いません。

あなたの自由意志で透析をより快適に

過ごしてはいかがでしょうか?

間違いだらけの透析医療

第2回は血流量(QB)について

 

血流量(QB)とはシャントから血液ポンプを使って血液を取り出し、ダイアライザに流入させる血液の速度をいいます。

血流量は透析時間(前回、時間がながければ長いほど透析の効率が上がるいうことをお話しました)

と同様に、透析効率を上げるために重要な要素であります。血流量に比例して小分子尿毒素は除去されていきます。

 

長生きしている人の習慣

2009年の日本透析医学会の報告に血流量と生命予後を調査したものがあります。

少しむずかしいかもしれませんが、出来るだけ簡単にお話しますね。

血流量200ml/分を1とすると、血流量150未満では2.8倍も死亡リスクが高いことがわかります。

何と死亡リスク2.8倍ですよ

血流量と死亡リスク

 

血流量200ml/分に比べ300ml/分は40%以上も死亡リスクが低くなっております。

透析量や栄養因子で補正すると、血流量150未満では1.5倍、150以上180未満では1.2倍まで低下しますが、傾向は同じです。

昔からQBを上げると「心臓に負担がかる」、「血圧が低下する」と言われておりました。

これってあくまでも想像の産物ですね。

根拠を調べずに、直感的に言われてきたことがまことしやかに、常識のごとく定着してきたのです。

実は血流量が増えても問題はありません。

 

2013年の日本透析医学会における透析処方のガイドラインでは、

本邦の透析現場において血流量400〜500 ml/分程度では、アクセ

ス血流量の増加、心機能や血圧の急激な変化は認められておりま

せん。

ということは、これまで言われてきたことは根拠がないということになります。

実際、400〜450 ml/分以上の血流量を用いるhigh efficiency

dialysis でも死亡リスクの増加は認めておらず、またより多い血流

量で透析を行った海外の研究においても、高透析量群では心臓関

連死は増加しておりません。

健康な腎臓の血流量は約1000ml/分で内シャントの血流量は500〜

1000ml/分であることを考えれば、腎機能が廃絶した状態でのシ

ャント血流が循環器系に悪影響を及ぼすとは考えにくいです。

このように血流量増加による血圧低下や循環器系への負荷は今で

は迷信となっています。

 

幸せに、そして長生きしたいですか?

それでは、「血流量を増やしさえすればいいんじゃないの?」こ

んな疑問が出てきます。

しかし、血流量が多ければ多いほど効率が上がるという単純なものでもありません。

血流量を増やしたぶん、ダイアライザを大きな膜面積のものに変

更したり、血流量に見合う透析液流量(一般的には500ml/分の施

設が多いです)に上げなければ変化は少ないです。

患者さんの限られた治療時間を有効に活かしつつ、近年の高機能

ダイアライザの性能を充分に引き出すためには、血流量と透析液

流量の比率が1:2 程度が効果的であると言われておりますが、絶

対的な指標ではなく、個々に合わせた適切な血流量と透析液流量

の設定が望まれます。

難しいことは、さておき、重要なのは透析時間と血流量です。

この2つの要素を最適にすることで、何が起きるのでしょう?

冒頭にお話したとおり、あなたの死亡のリスクが減るのです。

これは画期的な事だと思いませんか?

毎日の透析で少しの工夫が大きな差になってきます。

毎日の透析の習慣が大きな差になってきます。

透析の時間が短く、血流量が低いと、透析が不十分となり死亡リ

スクを上げる事になります。

それを補うために、様々な薬剤を使用することになりますが、

かえって身体にダメージを与えることにもなりかねません。

重要なのは、充分な透析、最適な透析を行うことです。

日々の透析が極めて重要であることを理解していただければと思

います。