田端駅前クリニックスタッフのブログ

そうか、みんなミラーマンだったんだ!

診療録の電子化三原則

当透析クリニックでは、電子カルテを導入し、レントゲンの画像情報も電子化している。

カルテを電子化する時の要件は、難しい表現であるが
1 真正性
2 見読性
3 保存性
が確保されていること、とされている。

真正性とは、容易に改竄(かいざん)できないことである。

従来の紙のカルテも、修正液や消しゴムはいけない。筆跡が書いた主の証なら代筆もいけないはずである。

電子カルテでは、他の人の知らないはずのパスワードを使って本人がログインして、入力し、確定後は修正できない仕組みになっている。したがってログインパスワードの管理がキーになる。

見読性は、判読できること。

実は紙カルテの見読性はかなり怪しいようだ。多忙な医師は急いで走り書きをする。仙人も自分の書いた文字が読めないことは日常茶飯事時だ。中には英語、ドイツ語などを駆使して走り書きをする医師もいて、そのカルテに書かれた指示を見て看護行為をする看護師は大変である。カルテに書かれていることが見読できればその病棟では一人前になったなどと訳の分からぬことも以前はあったような。

保存性は、消失しないこと。

紙のカルテだって火災にあったり、誰かが借りて返し忘れれば保存性はおぼつかない。電子化では、サーバーの二重化、ミラーリングの技術が必須とされた。最近では、さらに災害時に備えて、地震の少ない地域にクラウドサーバを設置することもあるようだ。岡山県が比較的地震がすくなく、クラウドサーバの設置場所として選ばれている。

電子カルテが普及する前は、このように、変化に抵抗する勢力が、難癖をつけて電子化に反対したが、紙カルテにしても三原則を満たしているかどうかはかなり怪しい、ケースもありそうだ。三原則を100%満たすことは困難だが一定の条件をクリアすることが必要をされている。

ミラーニューロンとミラーマン

ちょっと難しい導入となったが、本日はミラーリングの話である。とは言ってもコンピュータ技術とは違って、人の脳の中にミラーニューロンと呼ばれる神経があるそうな・・ということである。そう、みんなミラーマンなんですよ。
と言われても、ミラーマンなるウルトラヒーローを知る人は少ないか。
半世紀も前のころにウルトラマンの後継としてちょっとだけ登場したウルトラヒーローである。

ミラーマン

カエルの子はカエル

このミラーニューロンは、脳科学の実験から明らかになったもので、人が他人の真似をする時に活性化するのでこのように名付けられた。考えてみれば、子供はなんでも大人の真似をすることで成長していく。言葉はまさにそうだ。

0歳児は、何にでもなれる、何語でも操れる高い可能性を持っているスーパーマンだが、可能性の芽をつみながら、大人の真似をし、生まれ落ちた環境に適応しているのだ。
遺伝子を受けつぎ、親の真似をして成長すれば、親に似るのはやむを得ない。この子だけは自分のようになって欲しくないという願いは、概ね叶えられないということか。

成人まで親元で暮らすようになった現代では特に難しいかもしれない。

ちゃっかりしているミラーニューロン

さて、このミラーニューロンは、目の前で、近しい人が喜んでいる時にも、激しく活性化しているというのである。喜びを分かち合うことで、人との関係性はより親密になる。
では、悲しみ、苦しみはどうであろうか。
実験によると(恐ろしいことになんでも実験済みである)、悲しみや苦しみに対しては、喜びに対するほどは、ミラーニューロンの活性化が見られないということだ。

困難に首をつっこむことになるのは難儀だし、そもそも自分も悲しくなるのは割に合わないので、そういうことは避けたいという本能なのであろう。経済合理性にかなっている。
遺伝学者の手にかかればなんでも、遺伝子の自然選択によるものとなってしまう。

医療スタッフはウルトラ・ミラーマン

患者さんは、当然のことながら身体的な痛み、苦しみを抱え、精神的にも苦しく、辛い気持ちを持っている。多くの人はそのことを避けて通りたいのだが、医療職者は、そのことを察し、共感できなければいけない。

人一倍、ミラーニューロンを発達させ、優れたミラーマン・ミラーウーマンでありたいものだ。

「人イヌにあう」ならぬ「ひとイスにあう」

人イヌにあう

「人イヌにあう」は動物学の碩学、コンラッド・ローレンツの著作である。

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犬好きの貴兄には、ぜひお勧めしたい1冊である。学生の頃読んだもので内容についてはほどんど記憶にないが、とても面白ったことは記憶している。全くええ加減な推挙である。

犬は人生の良き友とはよく言われる。
我が家にも愛犬がいる。もう15・6歳なので老犬である。
最近では耳も遠くなり、呼んでもやってこない。
残念ながら犬の寿命は人の10分の一ほどである。
物語になるような賢い名犬でもない、ただの雑種であるが、その間抜けな行動に家族が一喜一憂する。雨や雷が嫌いである。

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*横向きになってしまったが、ゴロゴロ言い出して中に入れろという催促である

嫁さんは、最近、腹に据えかねることがあると、この犬に不満をぶちまけ、同意を求め溜飲を下げている。犬もこの後にはおやつがもらえるのでおとなしく聞いている。
家庭の平和にも不可欠な存在となっている。

「シエ」

浅田次郎の短編に「シエ(けものへんに解と書いていた)」という作品がある。
愛犬家のようであるが、犬ではない、ペットショップで勧められた奇妙な動物の話。
どんなペットフードも食べないがちゃんと生きている。飼い主は失恋をしたり、なかなか幸せを感じられないでいる。そう、飼い主の不幸を、涙を食べて生きているのである。
シエは心の中でつぶやいている「不幸の分だけちゃんと幸せになれるよ、ほんとだよ・・」と
そして、飼い主がしあわせになって、シエも死んでいくのである。

雑種の言い分

これから犬を飼おうという人には、是非雑種を勧めたい。
何世紀か忘れたが、オランダでチューリップが投機の対象となり、人々は珍しいチューリップに群がり、育種が盛んになり黒いチューリップが作られた。
犬も同じで、人が育種によって作ってきたものだ。珍しい犬、特殊な技能を持った犬、血統書付きの犬はそれだけ近親相姦の状態になっており、遺伝的に不健全で、精神疾患や持病を持っていることが多いということだ。雑種は幾分そのリスクは低く、しかも全くのユニークな存在ではないか。

人イスにあう

前置きが長くなったが、
今日は、犬ではなくイスの話である。(全く関係ないか)

仙人は、若い時から腰痛に悩まされ、30年ちかくこの椅子を愛用してきた。

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確かに腰痛には良い。優れものであるのだが、くつろぐという感じではない。

オフィスワーカーは、少なくとも1日8時間は同じ椅子に座っていることになるが、行動の不自由さからいうと、透析患者さんはもっと大変である。
入院経験からわかったことだが、病院のベッドはなかなか厳しい環境だ。長時間寝たきりにさせられると褥瘡ができることは容易に想像できる。
そのため、当院では可能な限り快適な椅子をということで、低反発素材を使用したフルフラットのリクライニングチェアを用意している。

快適さとプライバシーの確保を兼ねて、旅客機のファーストクラスに使われているフルフラットシートを活用したいと考え、メーカーの調査をしたこともあるが、1客1000万円近くするとのこと(他の業種には売りたくないということかもしれないが)で、さすがにこれは断念した。

東京ステーションギャラリーでイスにあう

東京で出会ったお気に入りの椅子は、東京ステーションギャラリーにある。
3階から作品を鑑賞し、煉瓦造りの回廊を螺旋階段を降りて2階へ、そして最後のビデオギャラリー兼休憩室に置かれている2客の木製の椅子。

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やや低い、大きめの座面と広がりのある肘掛、背もたれもちょうど良い位置にフィットする。
歩き疲れて腰を下ろすと、全身の力が抜けてゆったりとした気持ちになる。
シンプルでおおらかな椅子である。

世界は夜つくられる

今日は、丹沢登山で、ホウホウの程となったお話しである。

丹沢山系へ

5月10日午前4:00 不思議とスカッと目が覚めた。天気も上々、さすが関東、この時間でもう外は明るい。

5時前に山手線に乗って、小田急で丹沢山系の麓、新松田駅へ。リュックを背負った登山客が一斉に下車し、駅の階段を上っていく。駅前の狭いロータリーにはすでに行列が。

2台の路線バスに登山客が詰め込まれる。バス会社のかかり員も慣れたもので手際がよい。

ここからバスにのって登山口まで1時間以上の行程である。やれやれ

一抹の不安・・

5月になって日が長くなってきたので、丹沢主脈走破に挑戦である。1月末に奥多摩・雲取山に登って以来なので、足腰が心もとなく、一抹の不安はあるが・・

バスは夜8時台まであるし、ヘッドランプも装備しているのでなんとかなるか

ということで、9:00より檜洞丸へ登り始める。空気は澄んでいて登山日和だ。ゴーゴーという沢の音、鳥のさえずり、気分は上々である。ゆっくり自然を満喫しながらといきたいところだが、標準コースタイム11時間なので、普通に歩いても日没である。うかうかしておれず、ペースを上げて歩く。

絶景富士山

登り始めて約2時間、富士山が良く見える。

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いつも比較的好天(予報では晴れ)の日を選んで登山をしているが、奥多摩や丹沢から富士山が望めるチャンスはそれでも少ない。ラッキー

檜洞丸山頂で30分ほど休憩をし、これから縦走である。せっかく稼いだ高度であるが、一気に尾根を下っていく。

これから先を目指す人はごくわずかのようだ。

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丹沢最高峰蛭が岳

アップダウンを繰り返し(約3時間の行程)、丹沢山系最高峰の蛭が岳頂上へは、400mの急な登りが待っている。

丹沢山系最高峰で山頂での眺望も素晴らしいというのになんという不名誉な名前でしょう。

確かに丹沢には蛭が多いらしく、夏になると登山口には蛭対策の塩が置いていあるし、実際蛭につかれたこともある。

丹沢山より百名山にふさわしいと思うのだが・・。名前が悪いのではないか

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*3月 蛭が岳山頂から富士山を望む

ところがである。すでに檜洞丸を下る段階で、膝の裏の筋肉が釣りだした。これはまずい。登りは問題ないのだが、時間を稼ぐべき下りに時間がかかってしまう。引き返すにも追う遅い、ここまでくれば前に進むしか手はなさそうだ。

蛭が岳、丹沢山を経て、塔の岳にたどり着いたのは、すでに午後5時をまわっている。夕暮れの相模湾を一望する景色はすばらしい。三浦半島もよく見える。

が、これからが大変、足を引きづり約1200mの高度差の大倉尾根をひたすら降りなければならない。

世界は夜つくられる

塔の岳にはまだ若者2人ずれがいたが、さすがにヤングマンである、スタスタと下っていった。標準タイムは2時間半、おちおちしていられない。下手をすると終バスに間に合わない。(もっともタクシーを呼んでも、小田急渋沢までは大した距離ではないが)

仕方がない、こちらは2本のストックを松葉杖のように使いながら、そろりそろりと下っていく。

下りが厳しい。

下山半ばで日もとっぷり暮れてしまい、視界不良。ヘッドランプの登場である。

大倉尾根は道が良く整備されて、何回か通っているので道に迷うことはないが・・・

夜の山中は、全く違う景色である。(というか真っ暗である)

鳥のさえずりは鳴りを潜め、時々フクロウの声が聞こえる。

森のあちこちで命をかけた狩りが繰り広げられているのであろう。

良く見るとヘッドランプの明かりにてらされて、まるで霧雨のように空中を無数の白いものが舞っている。

木々の種や花粉が、種の繁栄のため次なる生き場所をさがして舞っているのだろうか。

昼間にはわからなかったが、山の中の木々の生命活動もにぎやかなものである。

人にはよく見えるはずの昼間には見えないものが見えて来る。

世界(森)は夜つくられる。(もちろん昼間も種は舞っているのであろうが・・)

やれやれ・・

足を引き擦りながらホウホウの程で、大倉バス停にたどり着く。

時計を見ると20:00である。

それでも最終バスにはまにあった。やれやれ

当然だれもいない。

1600mの山頂付近ならわかるが、5月というのに下山をしても風が強く、やけに寒い。

ヒートテックのシャツに着替え、レインウェアを身につけ暖をとる。

バス停のベンチに仰向けに寝転がって空を見上げると一面の星空である。

だから登山は止められない。

大地に身を任せ、みあげる空、清明な森の空気、頂上に登り着いた時の眺めと達成感もよいが、なんといっても下山した時の、やれやれという安堵感と、めちゃうまいビールには何物にも代えがたい快感がある。

ビール乾杯

ネットで膝裏の痛みについて調べると、それは筋力・脚力不足のせいで

足の筋肉を鍛えるか、コースを改めるかすべしとのこと

やれやれ

ということで、本日のキーワードは、世界は夜つくられる

夜間透析は重要ということで・・