田端駅前クリニックスタッフのブログ

心からの「ありがとう」

 

先日、母と一緒に銀座界隈をプラプラ(いわゆる「銀ブラ」)した時のお話。

その日は平日の午前中ということもあり、高齢の母とゆっくり歩くのには、とても快適でした。

残念に感じていたのは、実は本人だった

ただ、とある有名な洋食店で頂いたお食事(お肉)が傷んでおり、残念な思いをした後だったのです。

その日は、お正月休み明けで仕入れが止まっている時期でしたので、

お店からすれば年末に済ませておいた仕込みが、そのまま年を越したため、

たままた生じてしまった不運であったのだと思うのですが。。。

母は、そのことに珍しく憤慨していたのです。

母曰く、

「他の人が食べてお腹を壊したら大変」

「せっかくの銀座で、名のある洋食店に足取りも軽く初めて訪れた人の失望感を考えたら、黙っていられない」とのこと。

ふむ。母の言い分も理解出来る。

カキフライ

しかし後々よく考えてみると、かく言う母も久しぶりにその洋食店を訪れた一人であり、なにを隠そう母自身がとても残念な思いをしていたのかもしれません。

そんな、やりきれない思いを抱えた母に、「気分転換になるよ」と、M越の地下まで私の買い物に付き合ってもらったのです。

 

残念な思いは、吐き出すに限る!

まだまだ人出が少ない時間帯でしたので、

お目当ての化粧品売場カウンターに着くと「どうぞ!」と私達に席を勧めてくれたのです。

最初は、躊躇していた母も「ではお言葉に甘えて。。。」と私の隣に座り、

最初のうちは店員さんと私のやりとりを、ふむふむ。。。と黙って聞いていたのです。

さて、私と店員さんとのやりとりの中、ふと母を見ると少しばかり元気がない様子。

「疲れた?」と聞くと、「大丈夫よ」と一言。

店員さんも「お疲れになりますよね」と一言かけて下さったのですが、

(おやおや・・・なんか様子が変だ・・・)

ここで娘の予感が的中するのです。

「実は、さっきランチで少し残念な事があったもので。。。」と店員さんに告げると、

「あら、そうでしたか。。。」と同調する店員さん。

ここで母と私の目が合うと、親子ならではのアイコンタクト。

(母:本当よねぇ〜)(娘:はいはい。分かってるから。)

そうしたところ、この店員さんは若い方だったのですが、大変聞き上手な方で、

母の鬱積した残念な思いが怒涛のごとく吹き出し、「あの出来事」を話し始めたのです。

母は決して無口ではないのですが、(娘とは正反対で)あまり話をすることが得意ではないのです。しかし、聞き上手な若い店員さんを前に、残念で納得の行かない思いを吐き出し始めたのです。

※実は、その洋食店を出てすぐ母があまりグチグチ言うので、私も「もう済んだことだからいいじゃん!」なんて一蹴してしまったことも母のストレスになったのかもしれません。

とりあえず気が済むまで話を聞いてあげれば良かった。。。と心から反省したのでした。

 『お母さん、ごめんなさい』

ライオン 

 

化粧販売のホスピタリティ

いきなり「残念な話」を聞かされて、たまったものではないのが、その若い店員さんです。

しかし、さすが銀座M越だけあります。

マダム(いわゆるオバ様)達の対応には、めちゃくちゃ慣れていらっしゃるのです。

最初のうちは、

「そうだったんですか」「それは大変でした」等の同調で対応されていたのですが、

暫く経つと(母は同じストーリーを堂々巡りしているのですが)、

「・・・で済んで良かったです。でも・・・だったら、もっと大変な事になりますものね」と、母の怒りを共有して下さり、

最後は、

「同じお客様あっての仕事をさせて頂いている私たちも大変勉強になります。お話を聞かせて下さり、ありがとうございました。」

そう言われて、深々と頭を下げられたのです。

 

これを目の当たりにした時、ただ単に対応に慣れているのではなく、

『上級なホスピタリティ』だと感じたのです。

もしかしたら、閑散時間帯だったから、ゆっくりお付き合い下さったのかもしれません。

しかし、それだけでは説明が出来ない『説得力』があったのです。

つまり、この若い店員さんは『心からそう思って下さっている』のだと、感じたのです。

本当に「大変でしたね」と。

本当に「大事に至らず良かったですね」と。

そして、本当に「勉強になります。ありがとうございました。」と。

 

これは感じる私たちではなく、感じさせる店員さんの力に他ならない、そう感じたのです。

かくして我が母は、

「お若いのに、とてもしっかりした店員さんだったわね。さすがM越!」

そう言って、気持ち良く午後のひと時を過ごすことが出来たのです。

※『ありがとう』M越のコスメコーナーの店員さん♥

コンシェルジュ

 

コミュニケーションとは。。。

老若男女問わず、コミュニケーションが苦手な方はたくさんいらっしゃると思います。

医療者だからといって、上手に受け答えが出来る人ばかりかと言ったら、決してそんなことはありません。

透析医療の現場でも、日々の対話や信頼関係が重要になるのですが、

透析医療に関わる人々全員が、十分な対話力を持っている者ばかりとは限りません。

そんな時、ただ安直に「コミュニケーション力を高めよう」と目標を掲げた所で、

元来苦手にしている人たちにとっては、そもそも何をどうしたら良いのかが分からないこともあるでしょう。

 

その通りだと思います。

 

そんな時、私はこう思うのです。

「心から感じた、心からの思いを言葉に乗せてみてはどうだろうか」と。

 

『心からの感謝の気持ちを込めた “ありがとう” 』。

 

私たちは、どれだけ感謝の気持ちが詰まった「ありがとう」を周りの人たちに伝えているだろうか。。。と内省してみる。

そして、心のこもった「ありがとう」を誰かに言ってみる。

伝えた私たちは想像以上に気持ちが良く、きっと言われた人たちは幸せな気分になってくれると思うのです。

これが、コミュニケーションの原点の様な気がしています。

そして、ホスピタリティマインドの礎なのだ、とも感じるのです。

礼儀正しい態度や言葉遣いは、とても大切です。

でもそれは、相手に対する敬意や思いやりの表現が「礼儀正しさ」なのであり、

そこに「心」が込められた時の礼儀正しさが『上級のホスピタリティ』になると思うのです。

 

意識して「心からのありがとう」を伝えてみようと、原点回帰させてもらった出来事でした。

 

素直な心からの『ありがとう』の気持ちが行き交う職場なら、

きっと、患者さんも幸せを感じて下さると信じて。。。

 

感謝

 

このエントリーを Google ブックマーク に追加
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です