田端駅前クリニックスタッフのブログ

ポニョならぬ「崖の上の酔っ払い仙人」

再び下町へタイムスリップ

クリスマスシーズンも終わり、キラキラとした高級店から再び下町へトリップ

というよりも昭和へのタイムスリップでしょうか

・・酔っ払いの安全地帯 「谷・根・千」 いい話でしたね。

で・・

万葉の時代の港町 「鞆の浦」

谷根千の酔っ払い爺さんで思い出したのが万葉の時代から港町として栄えた広島県福山市の「鞆の浦」。

我妹子(ワギモコ)が 見し鞆(トモ)の浦の むろの木は 常世にあれど 見し人ぞなき(我が妻が、あの日眺めていたこの鞆の浦のむろの木は、こうして変わらずにあるけれど・・・このむろの木を眺めていた妻はもういない・・・)

大伴旅人など万葉の歌にも詠みこまれている漁村(都人には物寂しい代名詞のように詠まれている)である。

何年か前に放映されたジブリの映画「崖の上のポニョ」をご覧になった方も多いのではないか。

この舞台の原型となったとのが、鞆の浦だそうだ。

また、鞆の浦は「崖の上のポニョ」の舞台になる前から一部の業界の人の間で有名になり、視察が絶えない地でもあった。

その業界とは・・・

介護福祉の世界である。

介護福祉の世界では、鞆の浦は高齢になって、認知症になっても、地域で、在宅で、いつまでも日常生活を続けられる街として知られている。

今、手元にそのレポートがないので、ええかげんであるが

港が見える路地の階段の途中に、てんぷらを揚げる小さな店がある。そのベンチに座って揚げたての天ぷらをほおばるおばあさん。認知症で一人暮らし、徘徊中である。

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店の人は、どこどこのおばあちゃんであることがわかっているので、声をかけ緩やかに見守りをしている。おばあさんも厳しい周辺症状*を発症することなく緩やかに日常を過ごしている。

そう、谷・根・千の〇○食堂の酔っ払いじいさんを心配そうに見守るおばあちゃんのような人たちが暮らす街なのだ。

確かに、万葉の時代から、代々この地で暮らしている人達だとすると、簡単にはまねできない。

複数の街で認知症の進行状況、周辺症状や一人暮らしの可能性などを比較したレポート(確かいつかの厚生労働科学研究だったか??)では、鞆の浦のような街とは反対に、高齢になって認知症になるともっとも不幸な(早い段階で厳しい周辺症状を発症し、社会生活が困難になる)街が、東京近郊の、文化度も不動産業界での人気も高いと考えられているH市であると報告されている。

気取っているけど冷たい、というよりも、みんな郊外へ移り住んできて、人との縁がない。日々情報処理と判断を強いられて暮らしているのであろう。認知症になって、それができなくなると暮らせなくなるのはもっともである。

益々高齢化が進む地方では、近い将来、認知症の人の方が、そうでない人よりも多くなるなんてこともあり得るかもしれない。

認知症であるのは別にふつうのこと、これはユートピアであろうか?はたまた・・・

さて、鞆の浦を紹介するこんなページがあった。

http://tomomonogatari.com/

ポニョ効果か、なかなか洗練されている。

昔ディスカバージャパンなんていうJRの旅キャンペーンがあったが

日本はなかなか美しく、捨てたものではない。

鞆の浦の風景は、同じく瀬戸内海の小さな町で育った仙人には懐かしい限りである。

さざ波に日の光が反射してきらめいている。ポンポンポン・・のどかな漁船のおと。さざ波をわって舟の波紋が広がる。

こんなのどかな光景を眺めながら、とれたてのうまい肴で一献

ポンポンポン、トク・トク・トク・・・、くいっ

たまらんだろうなあー

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結局落ち着く先はここか・・

認知症になっても、これだけはかわらないのではないか。崖の上の酔っ払いじいさんである。

atukan

*認知症の周辺症状(認知症フォーラム.comより転載)

認知症には「中核症状」と呼ばれるものと、「周辺症状」と呼ばれるものがあります。「中核症状」は脳の神経細胞が壊れることによって、直接起こる症状です。具体的には、直前に起きたことも忘れる記憶障害、筋道を立てた思考ができなくなる判断力の障害、予想外のことに対処できなくなる問題解決能力の障害、計画的にものごとを実行できなくなる実行機能障害、いつ・どこがわからなくなる見当識障害、ボタンをはめられないなどの失行、道具の使い道がわからなくなる失認、ものの名前がわからなくなる失語などがあります。

一方、周囲の人との関わりのなかで起きてくる症状を「周辺症状」といいます。幻覚を見たり、妄想を抱いたり、暴力をふるったり、徘徊したりといった行為はいずれも「周辺症状」の一つです。「周辺症状」はその人の置かれている環境や、人間関係、性格などが絡み合って起きてくるため、症状は人それぞれ表れ方が違います。

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