田端駅前クリニックスタッフのブログ

お酒は程々に 〜『安全地帯』の巻〜

 

さて、先日「○○食堂」で偶然の出会いをした男性のお話の続きです。

 

偶然出会ったこの(あの)男性。お年の頃合いは70歳前後。

部屋着として常用していると思われるグレー系統のジャージの服装から拝察するに、ご近所さんなのでしょう。そして、ご年齢の割には背が高く“わしも、若い頃はスポーツで慣らしたもんだ”という体型。

 

羨ましさから一転。。。

気ままに、好きな日本酒をちびりちびり召し上がっていたであろうお姿は、少しうらやましくもありました。

初めは、良いなぁ〜。私もたまには平日、お日様の高いうちから何も気にせず、くぅ〜っ♥て言いながら行きつけのお店で美味しいお酒を少しだけ頂きながら、美味しいお料理に舌鼓を打ちながら、喧騒を逃れてみたい。。。なんて思っていたのですが、

(個人的には、こじんまりした美味しいお蕎麦屋さんか、洒落たビストロを希望♥)

さすがに昼間から自力でお手洗いに行くのもままならない状況の「おじいちゃん」を目の当たりにすると、「大丈夫だろうか。。。」と、色々なことが心配になって来たのです。

もう既に6合の日本酒を召し上がっていらっしゃるこのおじいちゃん。

お店のお姉さんに「本当に大丈夫?」と心配されながらも7本(合)目の日本酒にとりかかる。

もしかしたら、めちゃくちゃ嫌なことがあって「やってらんねぇ〜ぜ」って飲んでいるのかもしれない。

それとも『家の中でゴロゴロされたら邪魔でしょうがないから、どこか出掛けてよ』とお家の方に言われて渋々出てこられたのか、

はたまた、この「おじちゃん」にとっては、ごくごく普通の日常なのかもしれない。

しかし、いずれにしても余計なこととは思いつつも心配になってきたのです。

そうこうしている間に、私たちが注文したランチが運ばれてきたのです。

腹ペコの私たちは、ひと時「おじいちゃん」の事は忘れランチタイムを楽しんでいたのです。

 ※ちなみに、今回は唐揚げ定食を注文したのですが。。。きっと揚げ過ぎ。。。
  カリカリとガリガリの間くらい。ちょっと残念でした。
  きっと調理場のおばちゃんも「日本酒7合のおじいちゃん」が心配で仕方がなかったのでしょう。
  でもお味噌汁は抜群でした♥

味噌汁

 

その間も、日本酒は瓶からおじいちゃんの胃袋の中へと注ぎ込まれ続けていたのでした。

 

初めは気づかなかったのですが、実はそんな光景を気にかけていたのは、私たちとお店のお姉さん(と厨房のおばちゃん)だけではなかったのです。

 

谷根千のおばちゃん

13時を回ってからのランチタイムの食堂には、働くおばちゃんも多く来店するようで、

「店も落ち着いたから、ちょっくら昼ごはん食べてくるね。あと宜しく」なんて言ってお昼休憩を取りに来た(と思われる)おばちゃん達の姿も見受けられるのです。

谷根千エリアでお仕事されている(と思われる)おばちゃん達が人情味あふれることは、皆さんもご想像頂けるのではないでしょうか。

丸の内のランチタイムに、足元おぼつかない程に日本酒を飲んでいるおじいちゃんが1人で居ても、気取ってお食事を楽しまれている奥様方はきっと声を掛けて心配したりしないように想像します。

でも、ここは谷根千エリア(端っこですが)。おばちゃんが違うのです。

イスに座るとアゴの位置とテーブルの高さがほぼ同じではないかと見受けられる小柄なおばちゃんが、1人でポヨンって座りながら、もくもくとご飯を食べている。

その視線は、定食の小鉢と「日本酒7合おじいちゃん」を行ったり来たり。

めっちゃ気にしているのです。

それも間違いなく、好奇心ではなく「心配」しているのです。

 

これも見守り?!

そんな店内全員の視線(心配)を集めていたおじいちゃんが、いよいよお会計のために席を立ったのです。

「うわぁ〜歩けてないよ。。。お金払えるのかなぁ。」

そんな心配をよそに、唯我独尊。我が道を行く。

おじいちゃんは、お会計を済ませると(多分お支払いになられたように見えましたが、その真偽は不明)踵を返し、ふらふら。。。ヨロヨロ。。。っと、出口へと歩みを進めるのです。

が、「どこにも掴まらないで、よくあるけるなぁ」と感心してしまう歩みで、

ヨロッ。。。ふらふらふらぁ〜、(ヒック)。

その道中、お店のお姉さんが「大丈夫?ちゃんと歩ける?1人で帰れる?」なんて声をかけながら付き添ってあげていたのですが、このお姉さん1人でフロアを回しているため、さすがに酔っぱらいの歩みに昼間っから付き合えるほど暇ではないのです。

お姉さんの優しさが「おじいちゃん」から離れていったその時、グラっとおじいちゃんが揺らいだのでしょうか。お茶碗片手にしていた谷根千のおばちゃんの一言が宙に放たれたのです。

「ちょっとあんた大丈夫かい。気をつけなよ」

その瞬間、気のせいか「日本酒おじいちゃん」がシャキッ!

そのまま「す〜っ」と、お店を出て行ったのです。

 ※その後、おじいちゃんが無事に目的地に辿り着いたことを祈るばかりです。

 

都会のど真ん中なら、きっと誰もが見て見ない振りをしたでしょう。

でも、この「○○食堂」では好奇の目ではなく、この「おじいちゃんに見守り視線を送ってくれていた人が、思いの他たくさん居たのかもしれない。

なんとなく、そんなことを思ったのでした。

お地蔵さん

 

安全地帯

私が子供の頃は、家に鍵も掛けずに近所の空き地や道路など、所構わず縦横無尽に駆け巡り遊んだものです。そんな時、どこかのおばちゃんが「もう遅いから早く家に帰りなさい」とか、「そこは危ないから他所(よそ)で遊びなさい」なんて声を掛けてくれた。

そんな経験から子どもたちは、陰ながら見守ってくれている人たちがいる、自分たちの『安全地帯』を体得していたように思い出すのです。

この「おじいちゃん」(もしくはご家族)も、自分の『安全地帯』として、この「○○食堂」を体得しているのかも知れない。

そして傍から見たら危なっかしい足取りも、ご本人にとっては、この上ない『安全地帯」で安心しきって昼間から心置きなく日本酒を楽しまれていたのかもしれない。

ご家族も『どうせ「○○食堂」でお酒飲んでるんでしょ。放っておきなさい。』って承知の上かもしれない。

真実は全て闇の中です。

 

もしかしたら、人は誰しもこの類の『安全地帯』が必要なのかもしれない。

そんなことを思いながら、今度この「おじいちゃん」に遭遇したら、全身全霊で観察して全てを解明したい!そんな衝動にかられた昼下がりでした。

 

いずれにしても、お酒は程々に。年末年始、くれぐれもお気を付け下さい。

 

ビール乾杯

 

(今回はとりとめもない、まったりブログでした。皆さまお許しを。)

 

※1)「○○食堂」・・・ネーミングを検討中です。
※2)谷根千(やねせん)・・・ご存知の方も多いと思いますが、谷中・根津・千駄木の3エリアのこと。

 

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