中国の透析医療の真実
中国に転勤中の透析機器メーカーのマネージャーの方と話をしていました。
はじめは上海の状況や、大気汚染の話、食品問題等、日本でもおなじみの中国の話題に。
日本でも知られている通り、とてつもないお金持ちの人がいる一方で、非常に貧しい人も多く、所得の格差が社会問題になっている中国。
そのうち、話題は次第に業界の話に移り、中国の透析医療の話題に。
驚いた事に、現在の中国では透析患者は急激に増加し、既に日本を追い抜く数になっているとのことです。
よく考えれば、人口の数が圧倒的に我が国とは違います。
当然と言えば当然で、透析患者数も多くて当たり前です。
一方気になったので、「どんな透析をしているのか?」と質問したところ、透析患者の急増で、さすがに制度が追いついていないようす。
中国では、一般的に患者さんは月10回程度足らずの透析回数で、多くの患者さんが透析不足の状態だそうです。
(少なくてもマネージャーの知り得た限りでは)
それどころか、新聞等でも報道されている通り、中国では都心と地方の格差が激しく、
満足に透析を受けられない患者さんや、地方では未だにダイアライザーの再使用(リユース)をしているとの事です。
また多くの病院では、透析ベッドを詰め込むだけ詰め込み、機械的に透析の処理業務を行っているとの事でした。
療養環境も良くないようです。
これは国民性の違いなのか?と思いましたが、どうもそうばかりではないようです。
マネージャー曰く、実はその原因の一つは医療制度にあり、例えば医師の給料が非常に安い事を挙げていました。
医師の給料が安いので、当然モチベーションが上がらない、
そうなると極めて機械的に医療を行う、違う言い方をすれば作業として医療を行うといった傾向にあるとの事でした。
当然、看護師や技師も医師の態度に従っているために、あたかも工場の様だと言っていました。
日本人で良かった
「うーん、やっぱりお金か???」
医は仁術なり、つまり医療はお金ではない、という思想は非常に良いものです。
素晴らしい事ですが未だ所得格差が揶揄される中国では、そうも言ってはいられないのでしょう。
こう考えると、いろいろと問題はありますが日本の医療や
日本の透析医療は飛び抜けて良いわけではありませんが、
そこそこ良いのでは?と考えさせられます。
いけない、いけない、これで満足してはいけない。
現場を叱咤激励し、田端駅前クリニックが掲げたミッションに基
づき、ホスピタリティの向上を目指します。