第11号2016.11 | Oasis Heart(ニューズレター) | 夜間透析と透析 東京都北区の田端駅前クリニック

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Oasis Heart 2016.11


第11号 2016.11

院長からのメッセージ

私たちの“新たな取り組み” とは!?


田端駅前クリニック
院長 青木 竜弥

全員で目指す「患者さんのQOLの向上」

オアシスメディカル全員で目指している理念は、「透析患者さんの Quality of lifeの向上」です。繰り返しますが、お題目ではなくこれが 本当の私たちの理念です。単なる自己満足に陥らないように日々の仕事の結果から行動を変えることを目的にしています。

私たちは、その理念達成を目指して、私たち自身の行動を評価し変えるために満足度調査を実施しています。アンケート調査というと、あなたはこう言うかもしれません。「ああ、またアンケートか、面倒だな」。でも、ここでちょっと考えていただきたいのです。透析医療は医療者と患者さんの共同作業です。そして共同作業のもと、より良い医療をつくり上げれば、その利益はあなたに戻ってくるのです。

驚くべき「患者満足度調査」の事実

実は驚いたことに、全国腎臓病協議会の調査によると、透析医療機関において患者満足度調査を実施している医療機関はほとんどないそうです。私たちが調査を依頼している第三者機関Qライフでも、透析施設からの依頼は、これまで一件もなかったということでした。

調査とは病気の検査・診断のようなものです。診断しなければ一体どこが悪いのかも検討がつきません。

悪いところがないと考えているのであれば、それこそが問題です。医療は人を通じて実施するサービスです。したがって、定期的に調査を実施し改善すべきところを探し出し、修正していくことが重要になります。つまり、現状を肯定して「うちのクリニックは完璧、直すところなど何もない」と考えている施設にとっては、満足度調査を行う必要性はどこにもないのです。まさに余計なことなのです。

また、「患者さんは黙って言うことを聞いていればいい」というような古い考え方のクリニックも同様で、先のケースと同じで、このようなクリニックはやはり調査を必要としません。

しかし、私はこう考えています。「完璧などあり得ない。だから、常に向上心を持って改革していかなければならない」と。

改善に向けて“QMB”がアクション!

具体的な取り組みとして、この10月からオアシスメディカルでは、透析医療の質の改善を組織的に行う、Quality Management Board、略して”QMB”を発足させ、スタートを切りました。

QMBは、1)医療ミスや医療事故を事前に防止する仕組みを考えるチーム、2)透析医療の現場での無駄をなくすとともに、医療サービスの質を上げるシステムについて検討するチーム、3)現場の事務管理、仕組みを考えるチーム―の3つのチームを作り、より良い医療サービスをトータルで向上させようと考え、既に具体的なアクションに入っています。

臨床現場で言うなら、今は問診と検査の段階です。そこから検討を加え診断の段階になります。私たちがどの程度の成果を上げられるかこれは、今後にかかっており未知数ですが、大事なのは行動に移すことだ、と考えています。

QMBの活動と成果については、随時ご報告いたします。

透析ナースのコラム

今日もお変わりありませんか?体が喜ぶ体操シリーズ(第4回)

冷え対策は体の内から温める

秋から冬に向かうこの時期から、特に透析患者さんは、手足の冷えが一層増してくるのではないでしょうか。かく言う私も、足先の冷たさに靴下を欠かせなくなってきました。皆さんは、“からだ温め策”をきちんとなさっているでしょうか?

いくら重ね着をしても、寒さはしのげません。血流を良くして、体の内から温め免疫力を高めてください。そのために、体を温めるポイントをお教えします。

足首ぐるぐる回しと指先リンパマッサージ

まずは、第1回でお伝えした足首ぐるぐる運動、足指の間に手の指を挟み込み足首をグルグル回す例の運動です。

それに加え、指先のリンパは各指間にありますので、それぞれの、①指の付け根から関節の間を2回ずつ指先へゆっくり圧迫し、ゆるめる、②最後に指のつけ根から指先へスーッと流す、③5指を順にすべて同じ繰り返し、手も足も同じようにやってみてください。

人肌遠赤外線で温める

始める前に深呼吸を忘れないように!透析中でもできますし、寝る前なら、温かいお湯を準備し、手浴、足浴を加えると一層効果が出ますよ。

しかし、お尻に使い捨てカイロなど発熱効果のあるものはいけません。骨盤内を温めるには、仙骨(元始のシッポの名残ともいわれている場所です)を中心に、人の手のひらを差し込むのが一番です。人の体温ほど遠赤外線効果があって深部に届くものはないのですから。人肌程度のぬる湯で半身浴が良いといわれるのも、この効果と同じです。

プレゼントのお知らせ

最後にみなさんへのプレゼントです。今までご紹介した運動を実際にお試しになられ、1つでも続けている方にHANAナーシングセラピーの手作りグッズをプレゼントします。「じゃいこ」まで遠慮なく申し出てくださいませ。

*詳細は「編集部から」をご覧ください。(透析ナース じゃいこ)

透析医療の秘密

ダイアライザーの秘密

発展を続ける日本の医療、人工透析においては、透析回数、透析時間、血流量、透析液流量などは、何年も変化のない状況にあります。しかし、そんな中、ダイアライザーは進化を続けています。今回はこのダイアライザーについて少し紹介させていただきます。

ダイアライザーの中身は?

ダイアライザー1

透析をする時は、針を刺して血管から血液を取り出し、ダイアライザーを通ってまた血管に血液を返します。これを繰り返すことで血液中のいらない物質を除去しています。腎臓の代わりともいえるダイアライザーは血液をきれいにし、血液中から水分を除去するのに使われているのです。

ダイアライザー2

ダイアライザーの中には、小さな穴がたくさんあいている細いストローのような物(人工の膜でできた細い管)がおよそ1万本入っています。1万本です!あの筒の中に1万本!!

1本1本はシャープペンシルの芯より細く、約0.2mm。髪の毛よりすこし太いくらいです。

約1万本のこの膜をすべて広げると、風呂敷1枚くらいの大きさになります(約0.8~2.5㎡)。このストローの中を血液が通り、ストローの外を透析液が流れることによって透析できているのです。

あなたに合ったダイアライザーを

ダイアライザーは、それぞれの患者さんに合った材質、大きさのものを選択し、使用しています。生体適合性といって、材質が体に合う、合わないこともあります。材質によっては体調不良を起こしたり、血液データの変化、透析中に血液が固まりやすくなることもあるので慎重に検討し、材質を選択しています(現在のダイアライザーは生体適合性に優れているのでご安心ください)。

体重40kgの人と100kgの人では、やはりダイアライザーの大きさは同じではありません。体の大きさは人によって違い、体内の血液の量もそれぞれ違うので、血液中の老廃物がしっかりと除去できているかなどを確認して、患者さん一人ひとりに適した大きさ(膜面積)や透過能力のダイアライザーを選択しています。(T.0)

Topics

日本にも“マギーズ”がやって来た!

マギーズって何?

新聞などでも報道され、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、去る10月10日、“マギーズ東京”が豊洲にオープンしました。翌日のオープン記念チャリティー講演会に参加しましたのでその様子をお伝えします。

まずは、マギーズ(maggies)について紹介しましょう。 体調の変化を感じ受診して、検診で見つかって、突然“がん”と告知されたなら、どんな心境に陥るでしょうか。どうしてよいかわからない、目の前が真っ暗になる、押しつぶされそうな気持ち……。

医師は、次の患者が待っているので、診断を告げ、よどみなく選択可能な治療方法を説明する。いったいどこにこの身を置けばよいのだろうか?

マギーズセンターは、20年前に実際にこのような体験をした乳がん患者でイギリスの造園家マギー・ジェンクスさんが、医療を受け、死と向きあう恐怖と孤独に耐えながら、「自分を取り戻せる場所」が欲しい、他の患者さんもきっと同じ思いだと考え、担当看護師と建築評論家である夫の協力でエジンバラで実現させたのがスタートです。

マギーズセンターは、がん患者さんや家族、友人、医療者が戸惑い孤独な時に訪れて、ほっとくつろぎ、看護師や心理職の支援を受けられる、また、豊かな空間に包まれることで、自分で考える力を取り戻し、現実をなんとか受け止め歩み出すための力を取り戻す「居場所」なのです。

マギーズセンターには受付も、カルテも、スタッフや来訪者の名札もありません。来訪者を患者ではなく一人の友人として迎えるのです。誰もが自分の家、心を許しあえる友人の家のようにふらっと立ち寄り、端正な空間の中で心を落ち着けて佇む、スタッフや顔見知りと少し話し込む、悩みを打ち明ける、そんな落ち着いた時間と空間が、自分を取り戻す糧になるのです。もちろん費用はいりません。

マギーズセンターは、現在では、英国内で20カ所、海外では、香港についで今回、東京・豊洲でオープンすることになりました。なお、英国South West Walesのセンターは故黒川紀章さんの設計によるものです。

マギーズセンターは、ハード、ソフト共に非営利、すべて寄付とボランテイアによって運営されています。

秋山さんと暮らしの保健室

マギーズ東京facebookより

マギーズ東京は、これまで新宿で「暮らしの保健室」を主宰されていた秋山正子さんがセンター長を務めます。

「暮らしの保健室」は、NHKテレビの特集でも報道されましたが、地域のお年寄りが、いつでも立ち寄り話ができる、何もしなくてもみんなと一緒に過ごすことができる「居場所」です。一人暮らしのお年寄りの駆け込み寺のような存在であり、地域の医療・福祉機関や地域包括センターとの連携役にもなっています。秋山さんは、ご家族ががんになった経験から訪問看護、そしてマギーズセンターの存在を知って、同じような居場所を日本でも実現したいと、「暮らしの保健室」を立ち上げられたそうです。

既存の制度によらず、本当に必要とされているものをなんとか実現させたい。自分の気持ちにまっすぐに向きあい、周りの人たちを共感させ、一歩ずつ確実に実現させていく。テレビの映像のほか実際にお目にかかったのはその日が初めてだったのですが、どこからこの力が湧いてくるのだろうかと思われるほど、小柄で穏やかな方でした。

英国マギーズセンター20年の歩み

マギーズ・ロンドンの一室

記念講演には、当時マギーの担当看護師であり、エジンバラマギーのセンター長を務めるアンドリュー・アンダーソンさんと事業開発部長のサラ・ビアードさんが登壇しました。

アンドリューさんは、マギーズセンターがスタートした時は、ご自身を含め病院スタッフがしっかりケアをしているのに、どうしてそのような場所が必要なのかよくわからなかったと言います。しかし、その場にいて、患者さんの声に耳を傾けることで、その疑問が解けました。

イギリスのマギーセンターは、主に大病院の敷地内に併設されることがほとんどで、厳しい化学療法や放射線治療の前後に立ち寄り、体調と気持ちを落ち着けて帰られえる方、がん治療と治療後の出産の悩みを相談されるためパートナーと訪れる方など様々です。時には親ががんになってしまい、不安を抱える子供たちを集めて楽しいイベントをすることもあります。同じような不安をもつ仲間がいることで安心し、心が解放されるようで、賑やかな楽しい1日となったようです。

前へ、前へ!の元気をもらう

講演当日は、厚生労働省の職員も参加していて、彼らから「活動には期待しているが、寄付文化がない日本でこんな活動が根付くのだろうか?」との質問がありました。

それに対して演者からは「英国でも、そんな場所は不要だという懸念がありましたが、今ではすっかり根付いています。この活動はがん患者の根源的な欲求に基づくサービスであり、質の高いサービスを提供することができれば、必ず人々から求められる、なくてはならない存在になるはずだと」とエールが送られました。

さらに会場からも、「緩和ケアが日本でスタートした時に、緩和ケアの普及のために来日講演した方が、日本で普及することができるのだろうかと同じように不安を抱く看護師の質問に対して、その時の演者も、あなたが決意をもった看護師として進めてくださいとエールを送っていた。同じように、あなたが決意をもった官僚たれ」とエールが送られ、大きな拍手がありました。さすがのお役人も講演者と会場のパワーにタジタジでした。

繋がって粘り強く前に進み、必要なものを確実に実現させていく女性たちの連帯の力には感服します。

いずれにしても、前に進む人たちの言葉には力があります。こちらも大いに元気をもらって会場をあとにしました。そして、この気持ちにささやかながら祝杯をあげて帰路につきました。(D.S)

透析医療、透析患者をめぐって…透析 十人十色

繰り返される週刊誌などの誤った「透析特集」

最近、透析医療や私たち透析患者をめぐって、少々騒がしかったですね。『週刊現代』が、日本の透析医療について特集を組んでいました。2カ月以上前だったでしょうか?「あっ、何年かに一度は思い出したように組む特集かぁ?!」と思いながら読み進めていました。日本では、透析医療が「ビジネス化」してしまい、その「利益」を離したくない医療者と関係者がいることで、日本は「透析天国」になっている、というような内容だったと記憶しています。

腎臓病や透析医療に関する医学的な内容をちりばめながら、ところどころ、専門家(医師)のコメントを挟み構成しています。「あっ!透析って聞いたことがある」という人たちが、さっと読み進めれば、「なんて医療だ!」と不審に思い、あるいは怒りを感じ、そしてそれは、患者本人に向かってくる恐れがあります(それを意図しているのでしょうか?!)。

例えば、こんな一文がありました。「日本では、腎臓病患者の約9割が透析治療を行っている」というのです。この記事を書いた人たちは、日本に透析患者がいったい何人いると認識しているのでしょうか?

日本透析医学会の「慢性透析患者の現況」によると2014年末で32万448人です。確かに、世界的にみても少ないとは言えませんが、国内の慢性腎臓病患者は約1,300万人と推計されていますから、上の記事によれば、その9割ですから、1千万人を軽く超えてしまいますね! そう、もうお気付きですよね。正確には、「透析患者の約9割が、血液透析を行っている」です。

責任あるコメントを

 こんな誤った記事を堂々と、毎週発刊の雑誌に掲載し、特集することに疑問を感じてしまいます(当該誌の発行部数約60万部とか)。そんな思いを引きずっている時に、あるフリーアナウンサーのブログでの透析患者に対するコメントが「炎上」しました。 個人的には、その内容には触れたくないので詳細には書きませんが、先の週刊誌の特集記事といい、透析医療や透析患者について述べるのであれば、もっと本気でその医療や患者に向き合って、調査し、認識し、研究し、そして建設的に社会に発信してほしいと思います。 単に、「飛びつきやすい」話題や、テーマであることに終わってほしくない。なぜなら、患者は本気で治療と日々向き合っているからです!

「透析医療十人十色」を追求して

今回から、これまでの「透析医療山あり谷あり」の表題を変えさせていただきました。

その初回には相応しくない始まりだったかもしれません。しかし、透析に対する見方や認識、発信も、正に「十人十色」です。今回続いたような透析医療に対する発信が、どこかで大きな力が働き、意図的に行われているなら、それに抗する最も有効な対策は、患者自身が臆することなく、自分自身に合った、自分の望む「十人十色」の透析を追求することだと、私は確信しています。

透析してるからねえ…

医療者は、個々の患者にとって最高の治療を提供する、その姿勢を忘れないでいただきたいと切に願います。私が最も嫌なのは、透析に起因する合併症が出た場合、「透析をしているから、もう透析が長いから」とそれ以降の治療をあきらめざるをえないように言われるなど、「透析してるからねぇ…」で終わる医療現場です!

私が経験した脊柱管狭窄症の手術でも、そう主治医から言われました。そこであきらめてしまい、苦痛に耐えながら透析生活を継続している患者さんが多数います。

しかし、今の透析治療とそれを取り巻く医療と技術が、このような症状に対応できるレベルと環境になっていることを医療者と患者が共に「知る」ことが大切だと思います。(山咲 謙)

編集部から

本当に寒くなりました。みなさん、「体が喜ぶ体操」はチャレンジされましたでしょうか?ぜひ続けてみてください。透析ナースじゃい子さんよりご案内のHANAナーシングセラピー手作りグッズプレゼントをご希望の方は、下記田端駅前クリニックホームページから「ホームページからのお問い合わせ」にて「お名前」「メールアドレス」「件名:オアシスハート11号プレゼント」「本文:お届け先ご住所」をご入力の上、お申し込みください。数に限りがありますので先着順とさせていただきます。(D.S)

Oasis Heart 編集部 医療法人社団Oasis Medical 内
〒114-0014 東京都北区田端1-21-8NSK ビル4F
TEL03-3823-9060 FAX03-3823-9061

東京での夜間透析、臨時(旅行等)透析はアクセスのよい
東京新橋透析クリニック(03-6274-6320 www.toseki.tokyo)、
田端駅前クリニック(03-3823-9060 www.tbt-toseki.jp)

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